STORY 02
未経験からPMOへ。
「まずやってみる姿勢」が自身のキャリアを変えた。
未経験から開発の現場に飛び込んだH.M.さん。現在はPMOのポジションで主任職として開発プロジェクトの進行管理やメンバー育成を担っています。入社当初はIT用語もわからず、テスト業務からひとつずつ覚えるところからのスタートでした。
今回のプロジェクトストーリーは、H.M.さんがどのようにしてPMOそして主任職へとステップアップしたのか、その背景にある挑戦・苦労・学び、そしてこれからの展望を伺いました。
PMO/主任
H.M.
未経験からの挑戦、エンジニアとしての第一歩
現在の部署・役職・担当業務を教えてください。
現在、ProVisionに入社して3年目を迎えますが、PMOとして、開発プロジェクトの進行管理や課題管理を担当しています。
お客様と開発チームの間に立ち、スケジュール調整やドキュメント整理など、プロジェクト全体を円滑に進めるための支援を行っており、技術面というよりは、チームが動きやすい環境を整える「縁の下の力持ち」のような役割ですね。
IT業界未経験で中途入社されたとお伺いしました。新たなチャレンジに不安はありましたか?
もちろん不安は大きかったです。前職はホテル業界で、ITとはまったく異なる世界でした。入社当初は専門用語も多く、会話についていけないこともあり戸惑いの連続でしたね。
ただ、入社後の研修で基礎から丁寧に教えてもらえたことや、先輩方が根気強くフォローしてくださったおかげで、少しずつ理解が深まりました。最初はわからないことばかりでしたが、できることが増えるたびに「自分にもできる」という実感が持てるようになり、その積み重ねが今の自信につながっています。
挑戦を重ね、プロジェクトマネジメントの力を得る。
これまで携わってきた主なプロジェクトを教えてください。
入社当初は、ファンクラブ向けWebサイトの開発案件でテストや不具合改修を担当。
そして2年目には、ウェアラブル端末向けのWebアプリ改修・追加要件対応に携わったほか、バッテリー診断システムの案件を担当し、要件定義や設計といった上流工程にも関わるようになりました。未経験ながらも、開発工程やチームの動きを理解しながら着実に成長していきました。
その後、自らPMOに挑戦を希望し、電気自動車のバッテリー診断システム開発に初参加。頻繁な仕様変更のなかで課題管理やスケジュール調整を担い、チーム全体を支えるやりがいを実感しました。
特に印象に残っているプロジェクトはどれですか?
最も印象に残っているのは、PMOとして初めて参加した「電気自動車のバッテリー診断システム開発」です。クライアントの要望が多く、仕様変更も頻繁に発生する難易度の高い案件でした。
当初は、タスクの優先順位付けやスケジュール調整に苦戦し、現場が混乱する場面もありました。そこで、自ら課題を整理して一覧化し、チーム全員が進捗を把握できる“見える化”の仕組みを提案・導入しました。各担当の課題が明確になったことで、開発チーム間の連携やお客様との調整もスムーズになり、プロジェクト全体の流れが安定しました。
自分の提案でチームが前向きに動き出したことが大きな達成感につながり、「PMOとして貢献できた」と実感できた初めてのプロジェクトでした。
仲間と育んだアプリ開発の輪。挑戦がチームを変える。
プロジェクトを進めるなかで苦労したことや壁に感じたことはありますか?
入社当初は、同期との知識やスキルの差に悩みました。
技術面で成長が早いメンバーが多く、自分だけが遅れているように感じていたんです。そこで考えたのが、「自分にできる貢献は何か」ということでした。
技術で勝てなくても、タスク整理や進捗確認、チームの雰囲気づくりといったサポート面なら力になれると気づき、積極的に行動するようにしました。その経験が結果的に“チーム全体を支える立場”への意識を育て、PMOを目指すきっかけにもなりました。
SEの有志メンバーでアプリ開発を行ったと伺いました。きっかけや取り組んだことを教えてください。
きっかけは、「業務の枠を超えて、自分たちで新しい開発に挑戦したい」という想いから始まりました。同期2名で始めた活動が、やがてQAやデザインを巻き込み、10名を超えるチームへと発展しました。
この活動では、メンバーの主体性を重視し、全員で意見を出し合うアジャイル型を採用しました。この挑戦が刺激となり、現在では本業にもアジャイルの考え方が広がっています。
また、チームが拡大するなかで意識したのが、「自分の考えだけで進めない」ということです。メンバーそれぞれの強みや考え方を尊重し、全員が発言しやすい環境づくりを心がけました。定期的なミーティングのほか、雑談や相談の時間を設けることで、遠慮せず意見を出せる空気をつくった結果、チーム全体の一体感が高まりました。現在も展示会への出展を目指して開発を進めています。
個人からチームの成果へ。
リーダーとして磨いた対応力。
現在、主任としてメンバーの育成やフォローで意識していることはありますか?
主任として最も意識しているのは、「気軽に相談できる雰囲気づくり」です。
押しつけではなく、まず相手の話を聞いて状況を理解することを大切にしています。日常的な雑談のなかでコミュニケーションを取り、仕事の悩みや変化に気づけるよう意識していますね。
特に経験の浅いメンバーには、こちらから声をかけて壁を感じさせないようにするほか、ミスが起きても責めずに一緒に原因を整理するといった方法で、挑戦を後押しできるチームづくりに取り組んでいます。
チームをまとめるなかで、自分が成長したと感じるポイントは?
「個人の成果」よりも「チーム全体の成果」を意識できるようになった今、とても成長を感じています。
特に主任になってからは、自分のタスクをこなすだけでなく、メンバーの進捗や状況を踏まえて全体を動かさなければなりません。そのなかで、特に“対応力”が鍛えられたと感じていますね。
実際に、プロジェクトでは想定外の変更やトラブルがつきものです。そんなときこそ冷静に状況を整理し、優先順位を付けて柔軟に対応することを意識しています。
PMOの価値を広め、挑戦できる仲間を増やしたい。
これまでの経験を通じて得た学びと、今後の目標を教えてください。
PMOとして最も大きな成果は、「プロジェクト全体を動かす視点を持てるようになったこと」です。
以前は与えられたタスクをこなす立場でしたが、PMOとしてスケジュール調整や課題管理を担うなかで、全体を俯瞰しながら柔軟に動く力が鍛えられました。トラブル対応では関係者を巻き込み、解決策を導いた経験が大きな糧になっています。そして今後は、この経験をチーム全体や後輩の育成に活かしていきたいと考えています。
PMOはプロジェクトを支える重要な役割でありながら、まだその価値が十分に認知されていない面もあります。だからこそ、自らの経験を共有し、PMOというキャリアパスを次世代に広めていきたいです。個々が主体的に動けるチームづくりを進め、組織全体の成長につなげていくことが今の目標です。
最後に、未経験からキャリアを築いていきたい人へのメッセージをお願いします。
未経験からの挑戦には不安もありますが、それ以上に得られる学びが大きいです。完璧を目指す必要はなく、「まずやってみる」ことが大切。経験を重ねるほどに理解が深まり、自信に変わっていきます。
そして私のように未経験でも、努力と環境次第でキャリアは必ず築けます。PMOとして歩んできた今、振り返るとすべての始まりは“挑戦してみよう”という一歩でした。これから挑戦する方にも、恐れずにその一歩を踏み出してほしいです。